鳥栖 参志の人・技 弐「はぜろう」

         

 

世界が認めた「Japan wax」、佐賀の未来を照らした光。

 「櫨蝋(はぜろう)」とは、櫨の実を絞って抽出されたもので、和ロウソクや整髪料の原料としても有名である。櫨蝋を原料としたロウソクは、当時の人々のくらしに灯りをともしていた。

 江戸時代中頃から西日本の諸藩で櫨蝋作りが推奨され、幕末期には佐賀藩でも大規模な生産体制が敷かれていく。その中心の1つとなったのが鳥栖である。

 海外から「Japan wax」と呼ばれ、その品質を高く評価された櫨蝋は、海外貿易の主力商品へと成長していく。その際に得た資金はオランダ船の購入や三重津海軍所の開設など、維新への大きな原動力になっていった。

 

 犬丸 市之助(いぬまる いちのすけ)

(?〜1860)

  

 

 筑後田主丸から購入した櫨苗4万5千株を三根・養父郡に植え、農民らに栽培方法を熱心に教えた。

 彼の熱意と努力によって、やがて櫨蝋は県下第一の主産業へと成長していく。

 彼の作る蝋は品質が良いと高く評価されていた。 

 松田 勘四郎(まつだ かんしろう)

(1795〜1865)

 

 大坂で、櫨蝋で作られた和ロウソクの明るさに魅了される。帰国後、対馬藩田代領での櫨の栽培を奨励するため奔走した。

 彼の働きで田代領でも櫨が大きな産業の1つに数えられるようになり、その後、田代領にはたくさんの櫨畑が出現することとなる。

 櫨蝋職人

 

  

 櫨の実から蝋成分を抽出していた。

 絞った蝋は皿に移し、冷やして固める。これを「生蝋(きろう)」という。

 また、天日干し(晒し)してから液体に戻すことを何度も繰り返し、より純度を高めた高級品「白蝋(はくろう)」も作っていた。

 

 品質

パリ万国博覧会の出品記念メダル

 

 高品質の櫨蝋は佐賀藩が貿易する際の主力商品となった。

 内国勧業博覧会やパリ万国博覧会など、多くの博覧会へ出品し、品質について高く評価されている。

 蝋しぼり機・立木

  

 30分ほど蒸した櫨の実を鉄製の桶に入れ、立木で約30分間加圧して絞る製法。

 加圧は両側から交互に撞木で矢を打ち込むことで行う。

 この技術によって、1日1台あたり30斤(約18キロ)程であった生蝋の搾出量は、50斤(約30キロ)程にまで上昇したという。

 手がけ

  櫨蝋から和ロウソクを作る技術。

 和ロウソクの芯は和紙にい草と真綿を巻いたもので、その芯に手ですくった液体の蝋を掛けていく。

 固まったらまた掛けてを繰り返すことで少しずつ太くしていく繊細な作業。できたロウソクを上から見ると木の年輪のように見えるのが特徴。

 

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更新日:2018/9/14