○鳥栖市環境基本条例

平成14年9月30日

条例第19号

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全(良好な環境の創造を含む。以下同じ。)について、基本理念を定め、市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で快適な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動が環境に及ぼす影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で快適な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、市民が健康で快適な生活を営む上で必要となる良好な環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目的として、市、事業者及び市民のそれぞれの責務に応じた役割分担のもとに、自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 環境の保全は、生態系及び市域の自然的条件に配慮し、自然と共生する都市の実現を目的として行われなければならない。

4 地球環境の保全は、市、事業者及び市民が自らの課題であることを認識し、その事業活動及び日常生活において、積極的に行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(施策の策定等に係る指針)

第7条 環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行われなければならない。

(1) 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるように、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(3) 資源及びエネルギーの合理的かつ循環的な利用等により、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を図ること。

(4) 地域の個性を生かした良好な景観及び居住環境の形成等により、潤いと安らぎのある快適な環境を創造すること。

(5) 歴史的文化的遺産等が保全されるとともに、人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

(環境基本計画等)

第8条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、鳥栖市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第9条 市長は、前条の環境基本計画に基づき、市、事業者及び市民がそれぞれの責務に応じて環境の保全を協働して実践するため、必要な事項を定めるものとする。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。

(環境の保全上の助言等)

第11条 市長は、環境の保全上の支障の防止のため必要な助言、指導又は勧告(以下「助言等」という。)を行うことができる。

2 市長は、助言等を行ったときは、関係者に対し必要な報告を求めることができる。

(市民等の活動への支援)

第12条 市は、市民及び事業者(以下「市民等」という。)が行う環境への負荷の低減その他の環境の保全に資する活動が促進されるように、必要な支援の措置を講ずるものとする。

(環境の保全に関する教育、学習等)

第13条 市は、市民等が環境の保全についての理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境の保全に関する教育及び学習の振興、環境の保全に関する広報活動の充実等必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第14条 市は、市民等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進並びに環境の保全に関する教育及び学習の振興に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

(調査の実施)

第15条 市は、環境の状況の把握その他の環境の保全に関する施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

(施策の推進体制の整備等)

第16条 市は、各関係機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。

2 市は、市民等と協力し、環境の保全に関する施策を効果的に推進するための体制を整備するものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第17条 市は、地球環境の保全その他広域的な取組を必要とする施策の実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進を図るものとする。

(環境審議会)

第18条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全に関する基本的事項を調査審議するため、鳥栖市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する基本的事項及び重要事項に関すること。

3 審議会は、委員15人以内をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 市民及び団体の代表者

(2) 学識経験を有する者

5 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

鳥栖市環境基本条例

平成14年9月30日 条例第19号

(平成14年9月30日施行)