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企画展「新指定佐賀県重要文化財~藤木遺跡出土四葉座連弧文鏡~」
開催期間
平成20年3月4日~14日
*この企画展示は佐賀県重要文化財の指定を記念し、
市役所市民ホールで特別公開という形式で開催しました
新たな佐賀県の文化財
2月6日に開かれた佐賀県文化財保護審議会において、平成6年に藤木遺跡(藤木町)から出土した「四葉座連弧文鏡(しようざれんこもんきょう)」を、佐賀県重要文化財に指定するよう答申が行われました。
新たに指定されるのは、後漢時代(1世紀後半~2世紀前半)の中国で製作され、弥生時代の日本にもたらされた青銅製の鏡です。
背面中央のヒモを通す突起の周囲(鈕座)に四つ葉を配し、さらに周囲を八等分した円弧で飾るところから四葉座連弧文鏡という名称がつけられています。
この鏡の持つ価値は・・・?
弥生時代の社会では、中国製の鏡を手に入れることは特別なステイタスを示すものでした。
この鏡は、弥生時代後期(約1,900年前)の鳥栖地域にいた首長クラスの人が、権威の象徴として所持していたものです。
現在の駅前スタジアム南側入口付近の地点で見つかった、石蓋土壙墓というタイプの墓の中に副葬されていました。
埋葬直前にわざとふたつに割って、被葬者の頭の左側に重ねて置いていました。
〈空から見た藤木遺跡、右下の赤い点がお墓のあったところ〉
〈鏡の見つかった様子、赤いものはベンガラというむかしの塗料〉
弥生時代の埋葬儀礼を知ることができる貴重な例であるとともに、当時の社会構造を解明する資料としても重要である点が評価され、佐賀県の重要文化財に指定されることになりました。