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市指定重要文化財(美術工芸品・彫刻) 薬師如来坐像の紹介です
薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)
薬師如来坐像
- 【所在地】 鳥栖市幸津町
- 【指定日】 昭和53年4月14日
幸津町に安置されている像高87.4cmのほぼ等身大の坐像です。市内にある仏像の中では最も古いもので、平安時代後期(12世紀後半)の作と推定されています。
ヒノキ材による寄木造で、現状では光背と台座が失われていますが、優雅流麗な和様彫刻である「定朝様」の特徴が良く現れています。
この仏像が造られた平安時代後半期は、文化史や美術史の区分では「藤原時代」といい、それまでの唐風文化の影響を脱し、和様の国風文化が花開いた時期で、地方においてもその影響が現れてきます。
そうした中でこの藤原仏も、おそらくは都で定朝様を学んだ地方仏師により製作されたのでしょう。
この薬師如来坐像が幸津天満宮に伝えられた由来は不明ですが、近世以前の神仏習合の風習を伝えるものとして貴重なものです。
なお、現在見られる漆箔(しっぱく:漆を塗った上に金泥などを重ねる技法)や衣の彩色および左手に持つ薬壷は、江戸時代後期の文化10年(1813)の修復の際のものです。
現在は公開していません。
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