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県指定重要文化財(考古資料) 本行遺跡出土青銅器及び鋳型を紹介します
本行遺跡出土青銅器及び鋳型(ほんぎょういせきしゅつどせいどうきおよびいがた)
本行遺跡出土鋳型
本行遺跡出土青銅器
- 【所在地】 鳥栖市宿町(鳥栖市教育委員会)
- 【指定日】 平成9年5月9日
本行遺跡のほぼ中央付近で見つかった「中広形銅矛」という種類の武器の形をした青銅製の祭器です。紐などをつける部分(耳)を下にして、刃部を立てた状態で埋められていました。銅矛の周りの土も黒くなっていたので、布に包まれるか、木箱に納められていたようです。
銅矛は、本来実用の武器として作られましたが、時代が新しくなるにつれて大型化し、マツリの道具として使用されるようになりました。この銅矛は刃を研いでおらず、柄を差し込むソケット状の部分(袋部)も鋳造時の中型(中子)が詰まったままで、耳にも孔があけられていません。本行遺跡ではこのほか、小銅鐸1点、中国の銅鏡を真似た国産の鏡(仿製鏡)2点、青銅製鋤先2点などが出土していますが、これらはいずれもマツリに使われたものとおもわれます。この遺跡では銅鐸・銅矛・銅剣などの青銅器鋳型片が12点18個体分発見されたほか、銅矛の土製中型(中子)が見つかっています。鋳型のうち4点は、両面を型として使用していました。
日本で青銅器の生産が開始されるのは弥生時代中期初め(約2,100年前)と考えられており、鳥栖市内では柚比遺跡群でこの時期から青銅器を製作していることが知られていましたが、この発見で、市南西部でも柚比遺跡群同様に比較的早い時期から青銅器を製作していたことが明らかになりました。
ここで出土した青銅器6点と青銅器の鋳型12点は平成9年5月に佐賀県の重要文化財に指定されています。
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